2024/05 甲種防火管理者・防災管理者の資格取得を体験(東京)

防火管理者・防災管理者修了証 災害

防火対象物の「防火管理者・防災管理者」に選任されたため、「防火管理者・防災管理者」の資格を取得したので、その流れを説明する。

消防法では、学校、病院、工場、事業場、興行場、百貨店、共同住宅、事務所などは収容人数により「防火管理者・防災管理者」を定めなければならないと規定されている。
分譲マンションでも防火管理者を選任しなくてはならない。
管理会社では、消防設備の検査を行う業務については請け負うが、防火管理者を請け負うことはしないケースが多い。
近年は、有料で防火管理者を請け負うサービスが存在しており、それを利用する(ファミリータイプ50戸 年間料金 150,040円(税込))もあるようだ。
現在は、分譲マンションの住人から防火管理者を選任することが難しいケースも多い。
資格取得に2日間かかること(500平方メートル以上の甲種防火管理者の場合)や防火管理者の法的責任を負いたくないという心理的要因により、未選任の物件も多い。
共同住宅の場合、約20パーセントが未選任となっているが、未選任の状況は法律違反となる。
消防法第八条第三項「消防長又は消防署長は、第一項の防火管理者が定められていないと認める場合には、同項の権原を有する者に対し、同項の規定により防火管理者を定めるべきことを命ずることができる。」に違反した場合は、同第四十二条により「六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金」となる。

「防火管理者・防災管理者」設置の法的根拠

共同住宅・学校・工場・倉庫・事務所などは、収容人員が50人以上の場合、「防火管理者・防災管理者」を定めなければならない。
東京消防庁の「防火管理者が必要な防火対象物と資格」ページには、設置が必要となる一覧が公開されている。

収容人員50人以上の共同住宅は、延べ面積により以下のように防火管理者の資格が分類される。

  • 500平方メートル以上:甲種防火管理者(講習日程は2日間)
  • 500平方メートル未満:乙種防火管理者(講習日程は1日間)

第八条 学校、病院、工場、事業場、興行場、百貨店(これに準ずるものとして政令で定める大規模な小売店舗を含む。以下同じ。)、複合用途防火対象物(防火対象物で政令で定める二以上の用途に供されるものをいう。以下同じ。)その他多数の者が出入し、勤務し、又は居住する防火対象物で政令で定めるものの管理について権原を有する者は、政令で定める資格を有する者のうちから防火管理者を定め、政令で定めるところにより、当該防火対象物について消防計画の作成、当該消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練の実施、消防の用に供する設備、消防用水又は消火活動上必要な施設の点検及び整備、火気の使用又は取扱いに関する監督、避難又は防火上必要な構造及び設備の維持管理並びに収容人員の管理その他防火管理上必要な業務を行わせなければならない。

消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)

消防署で申し込み

2024年5月の日程で受講したかったので、2024年の3月に消防署で申し込みを行った。
申し込み後、「防火・防災管理者講習受講票」を渡されるので、これを講習当日、会場へ持参する。
日程は、消防消防庁の防火管理講習・防災管理講習ページに掲載されている。
手順については、東京消防庁の講習の申込み方法ページに掲載されている。
東京都内(稲城市を除く)の建物や事業所で選任される方のための講習であり、単なる資格取得目的の場合は受講できない。

防火・防災管理者講習受講票
防火・防災管理者講習受講票

1.申込み先

東京都内(稲城市は除きます。)の各消防署、消防分署又は消防出張所

2.受付時間

月曜日~金曜日 午前8時30分から午後4時30分まで(祝休日及び年末年始を除く)

3.受付開始日・締切日

(1)受付開始日
各講習開催月の2か月前
(2)締切日
各講習の前日の午後3時00分
ただし、締切日前であっても定員になり次第締切る。

講習の内容

2日間いずれも、9:00~17:00まで実施となる。

持ち物

  • 防火・防災管理者講習受講票
  • 写真付き身分証明書(マイナンバーカード、運転免許証等)
  • 筆記用具(鉛筆またはシャープペンシル、消しゴム、ボールペン。テキストに重要ポイントをマークするための蛍光ペンもあると良い)
  • 教材費 6,000円(現金のほか、クレジットカードやQRコード系電子マネー支払いも可)

1日目

講習開始が9:00のため、8:40頃到着した。
消防技術試験講習場(東京都千代田区外神田4丁目14-4)は、神田消防署の左に入口があり、エレベーターで8階になる。
エレベーターで8階に上ると、教材を購入する臨時エリアが用意されており、そこで購入できる。
支払いには、現金、クレジットカード、QRコード系電子マネーが利用できる。
教材費 6,000円(税込)の内訳は以下のとおりである。

  • 防火・防災管理の基本(3,500円)
  • 消防関係法令集(2,100円)
  • 三角巾(400円)

講習料は、無料である。
過去に講習を受講した人から教材を譲り受けた場合は、購入しなくても問題ないが、改版されている場合が想定されるので注意。

購入後、以下のような領収書が支払い機より発行される。

防火・防災管理者講習 領収書
防火・防災管理者講習 領収書

以下が購入された教材になる。

防火・防災管理者講習 教材
防火・防災管理者講習 教材

時間割が提示され、この時間通りに講習が進む。
座席は指定席となり、講習前に、「出席」ボタンを押すことにより、出席確認を行っていた。
1日目は、すべて座学になる。
まず、写真付き身分証明書にて、本人確認が行われた。
ふたの付いた飲み物による水分補給はできるが、講習会場で食事は一切できないため、昼食は、外食になる。
およそ200人が受講していた。
効果測定に出る問題は、講師が「重要なポイントです」と言うので、テキストにマーカー等を引くのが良い。
実際の火災映像や説明動画も多く、理解しやすいような工夫が感じられた。
なお、一番分厚い「消防関係法令集」と布製の「三角巾」は、1日目しか利用しないので、2日目は持参不要であった。

防火・防災管理者講習 時間割
防火・防災管理者講習 時間割

2日目

講習開始が9:00のため、8:40頃到着した。
8階のエレベーターを降りた場所で、写真付き身分証明書にて、本人確認が行われた。
2日目の後半は、消防設備に実際に触れる訓練も行われた。
AグループとBグループに分かれ行われる。
消防設備に触れる訓練としては、以下のような内容が含まれていた。

  • 消火器、消火栓の使い方
  • 防火扉、防火シャッター、排煙装置、防煙防火ダンパーの仕組み
  • 自動火災報知設備の使い方
  • 自動消火設備(スプリンクラー設備、泡消火設備、ガス系消火設備等)の仕組み

効果測定は、20問の「はい」「いいえ」の選択肢式であった。
結果は、200人程度の受講者全員の合格であった。
効果測定後、受講証の配布が行われ、講習修了となった。

防火・防災管理者講習 修了証

防火・防災管理者講習 修了証
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