荒川区の子育て支援制度と住宅事情!家賃・分譲価格をエリア別に比較【2025年版】

思い出広場 住宅

荒川区は、子育て支援にかなり力を入れている。独自の助成制度を数多く取り入れ、都内でも有数の「子育てしやすい街」として注目を集めている。この記事では、荒川区の子育て支援制度の独自性、住宅コスト、子育て世帯におすすめのエリア、レジャー施設について詳しく解説する。

荒川区の子育て環境

荒川区は、待機児童を減らすために保育園を増やしたり、独自の助成制度に取り組んだりしている。ただし、家賃相場がやや高めという点は気になるかもしれない。

項目評価
子育て支援の多さやや多い
治安の良さやや良い
買い物のしやすさ普通
ファミリー向け家賃相場やや高い

賃貸物件(2LDK)

1. 西日暮里・東日暮里エリア:都心アクセス重視

JR山手線や京浜東北線が利用できるこのエリアは、荒川区で最も利便性が高く、それに伴い家賃相場も高めだ。

  • 相場: 築浅・新築物件は20万円〜26万円台。
  • 特徴: 駅徒歩10分圏内の物件が多く、設備のグレードも高い。
  • 家賃を抑えるコツ: 築30年程度の物件なら、家賃は13万円台まで下がる。駅近で家賃を抑えたい人は、築年数が古い物件も視野に入れると選択肢が広がる。

2. 町屋・荒川エリア:コストパフォーマンス重視

東京メトロ千代田線沿線が中心のこのエリアは、西日暮里に比べて家賃の幅が広く、掘り出し物が見つかる可能性がある。

  • 相場: 新築物件は21万円〜22万円台。
  • 特徴: 築30年前後の物件が狙い目だ。家賃は12万円台と安く、駅近でもお得な物件が見つかるのが大きな魅力。

3. 東尾久・西尾久エリア:広さと家賃のバランス重視

日暮里・舎人ライナーや都電荒川線が利用できるこのエリアは、比較的落ち着いた住環境が魅力だ。

  • 相場: 築浅物件(築10年以内)は17万円〜21万円台。
  • 特徴: 築年数が古めの物件に注目すると、家賃を抑えつつ広さを確保できる。築30年以上の物件の中には、家賃が9万円台のものや、家賃17万円台で75㎡以上の広さがある物件も存在する。

4. 南千住エリア:再開発された街で新生活

JR常磐線や東京メトロ日比谷線が通り、近年再開発によって街並みが整備された。新築・築浅物件が中心だ。

  • 相場: 新築・築浅物件は20万円〜22万円台。
  • 特徴: 新しいマンションが多く、充実した設備やきれいな街並みが魅力。築20年程度の物件は家賃は16万円台から見つかる。

まとめ:賃貸物件(2LDK)

荒川区には、「都心へのアクセス」「家賃の安さ」「広さ」など、重視するポイントによって様々な選択肢がある。

  • 家賃が高くても駅近・築浅が良い日暮里・南千住エリア
  • 家賃を抑えつつ広さも確保したい町屋・荒川・東尾久エリア

中古分譲物件(2LDK~3LDK)

全体的な傾向

荒川区の中古マンション価格は、築年数や立地(駅からの距離)によって大きく変動する。築年数が古くても、大規模なリノベーション済み物件や、駅近の好立地物件は比較的高価格となる場合がある。2LDKと3LDKでは、3LDKの方が当然広い傾向にあるが、面積が同程度であれば価格に大きな差はない。

  • 築年数と価格の関係: 築年数が古い物件は安価だが、新耐震基準(1981年以降)に適合しているかどうかが重要なポイントとなる。
  • 価格帯の幅: 2,000万円台の物件から、8,000万円を超える高額物件まで、非常に幅が広い。

エリアごとの分析

1. 西日暮里・東日暮里エリア

JR山手線が利用でき、都心へのアクセスに優れるため、荒川区内でも特に価格が高いエリアだ。

  • 価格帯:
    • 2LDKでは3,000万円〜8,000万円台と幅広い。
    • 3LDKでは4,000万円〜1億円超まで、高価格帯の物件が多い。
  • 特徴:
    • 駅からの距離が短い物件が豊富で、利便性を重視する層に人気がある。
    • 築古の物件でも、立地が良いものは価格が下がりにくい傾向にある。

2. 南千住エリア

近年再開発が進み、新しいマンションが建設されているエリアである。JR常磐線、東京メトロ日比谷線、つくばエクスプレスが利用可能。

  • 価格帯:
    • 2LDKでは3,000万円〜6,000万円台。
    • 3LDKでは4,000万円〜9,000万円台。
  • 特徴:
    • 駅近のタワーマンションなど、比較的新しい大規模マンションが多い。
    • 築年数が経っていても、70㎡超の広い3LDK物件が6,000万円〜7,000万円台で見られるなど、ファミリー層に適した選択肢が豊富だ。

3. 町屋・荒川エリア

東京メトロ千代田線、都電荒川線、JR常磐線が利用できるエリアだ。比較的落ち着いた住環境が特徴。

  • 価格帯:
    • 2LDKでは2,000万円台〜5,000万円台。
    • 3LDKでは2,000万円台〜7,000万円台。
  • 特徴:
    • 荒川区内では比較的、手頃な価格帯の物件が見つけやすい。
    • 築年数が古い物件(築40年以上)の中には、2,000万円台の低価格で購入できるものもある。
    • 駅徒歩圏内でも、築年数が古い物件であれば価格を抑えられる。

4. 東尾久・西尾久エリア

日暮里・舎人ライナーや都電荒川線が主な交通手段となる。住宅地が広がり、ファミリー層に人気がある。

  • 価格帯:
    • 2LDKでは4,000万円台〜6,000万円台。
    • 3LDKでは3,000万円台〜5,000万円台。
  • 特徴:
    • 築30年前後の物件が中心で、価格も比較的安定している。
    • 駅からの距離や築年数によって価格差があるものの、3LDKで4,000万円台の物件が多数見られるなど、手頃な価格帯で広めの部屋を探せる。

まとめ:中古分譲物件(2LDK~3LDK)

  • 価格重視: 町屋・荒川エリアが最も手頃な価格帯の物件が多い。築40年以上の物件では2,000万円台で購入できるものもある。
  • 利便性重視: 西日暮里・東日暮里エリアは、価格は高くなるが、都心へのアクセスが抜群に良い。
  • ファミリー向け: 南千住エリアは再開発が進み、設備が充実した比較的新しい物件が多く、ファミリー層に適している。東尾久・西尾久エリアも、広めの物件が比較的安価で見つかるため、子育て世帯には良い選択肢となる。

治安は23区中トップクラスの改善傾向

荒川区の治安は、他の区と比べて平均的かやや良好とされている。一部のエリアを除けば犯罪発生率も低く、比較的安心して暮らせる街だ。

犯罪発生率が比較的多いとされているのは、主に駅周辺や繁華街だ。特に、西日暮里駅・日暮里駅付近の繁華街は、自転車盗難などの軽犯罪が多く発生する傾向にある。物件を探す際は、夜間の雰囲気や人通りを実際に確認してみることをおすすめする。一方で、西尾久町屋といった住宅街では、落ち着いた環境が保たれている。

近年、荒川区は「治安ナンバーワン都市」をスローガンに、地域のパトロール強化や防犯ブザーの無料配布など、治安改善に積極的に取り組んでいる。

買い物のしやすさは普通

荒川区のほとんどの地域には、スーパーや個人商店が充実しており、普段の買い物で困ることはない。しかし、ショッピングセンターなどの大型施設は少ないため、休日に家族でショッピングを楽しむなら、ほかの区へ出かけることが多いだろう。

荒川区の独自の子育て支援制度を解説

荒川区の子育て支援は、ほかの区と比べるとかなり独自性が強い。多胎児家庭を支援する「ツインズサポートサービス」や、24時間いつでも育児相談ができる「あらかわキッズ・ファミリーコール24」など、きめ細やかなサポートが特徴だ。

あらかわキッズ・ファミリーコール24

妊娠中や育児に関する相談に、看護師資格を持つ専任スタッフが24時間365日対応してくれる荒川区独自の事業。

「子どもがなかなか眠ってくれない」といった具体的な内容から、「初めての子育てで不安」といった漠然とした悩みまで、親身に聞いてくれる心強いサービスだ。

ツインズサポート事業(多胎児家庭支援)

ふた子や三つ子などの多胎児家庭の育児をサポートするため、タクシー代や一時保育の利用料を助成する取り組み。助成内容は年度によって変動するため、最新情報は区の公式サイトで確認が必要だ。

ひとり親世帯等民間賃貸住宅入居支援事業

ひとり親世帯が民間の賃貸物件を借りる際、家賃保証会社の利用料を助成してくれる制度。助成額は初回保証料と合わせて上限5万円で、契約更新時にも利用できる。

ただし、利用できる保証会社は区と協定を結んでいる企業に限られるため、注意が必要だ。


待機児童数は安定して少ない

荒川区は待機児童対策に力を入れており、令和4年度(2022年度)には待機児童数ゼロを達成している。その後も比較的安定した状況が続いており、共働き家庭も安心して暮らせる環境だ。保育園の新設も進められており、待機児童問題は解消されつつある。
なお、令和7年4月1日現在の保育所待機児童数は11人である。(入園申込者数:1,429人)

子育てにおすすめなレジャー施設

荒川区にあるファミリー向けのレジャー施設を5つ紹介する。

ゆいの森あらかわ

2017年にオープンした児童館・図書館・カフェが一体になった複合施設。入館料はかからない。すべり台などの遊具がある「遊びラウンジ」や、ものづくりのワークショップが楽しめる「体験エリア」があり、さまざまな形で学びを提供している。

荒川自然公園

町屋駅にある大きな公園。アスレチック広場や野球場、テニスコートなどがある。自転車や一輪車の貸し出しもしているので、小学生の子どもがいる家庭におすすめ。夏季には水遊びができる「わいわいプール」やカブトムシを見れる「昆虫園」もオープンする。

都立汐入公園

南千住駅の東側にある、広大な緑地が特徴の公園。展望広場やピクニック広場など、多種多様な広場が集まっている。大人も楽しめるテニスコートや野外ステージ、アスレチック広場、噴水などがあり、テントやシートを持って1日ゆっくり過ごす人もいる。

都電おもいで広場

都電荒川線の「荒川車庫前駅」にある、昔の都電が展示されている無料の広場。いまでは使われていない車両が2両展示されており、なかに入ったり運転席に座ったりできる。電車好きの子どもにはたまらないスポットだ。

あらかわ遊園

あらかわ遊園は、東京23区内にある唯一の区立遊園地。観覧車や豆汽車といった乗り物から、動物とのふれあい、釣り堀まで備える。子どもから大人まで楽しめる、ファミリー向けの憩いの場だ。

荒川区で子育てにおすすめの駅5選

荒川区の中でも特に子育てにおすすめの駅を5つ紹介する。

南千住駅

再開発が進んでいて、荒川区でもっとも便利な街。ショッピングセンターやホームセンターが充実しており、買い物に困らない。近くを流れる隅田川沿いには都立汐入公園があり、子どもを連れて遊びに行きやすいのも大きなメリットだ。

三ノ輪駅

治安がとても良く、家賃相場が近隣より安いことが魅力。ファミリー向けの2LDKや3LDKが、15〜16万円で借りられる。駅から徒歩5分以内にスーパーが複数あること、またジョイフル三ノ輪(商店街)もあり買い物環境が整っている。東京メトロ日比谷線が利用でき、都心へのアクセスも良い。

町屋駅

東京メトロ千代田線、京成本線、都電荒川線の3つの路線が使えるアクセスに優れた街。上野駅まで9分、秋葉原駅まで12分、スカイツリーのある押上駅まで20分と、通勤にとても便利だ。家賃相場も比較的安く、ファミリー層に人気がある。

日暮里駅

山手線をはじめ4路線が利用可能で、都内主要駅へのアクセスが非常に良い。駅周辺には商店街が広がり、下町情緒あふれる雰囲気の中で買い物を楽しめる。また、保育園や小中学校、公園、病院などが充実しており、子育てしやすい環境が整っている。ただし、駅前は繁華街のため、治安が気になる場合は、少し駅から離れた住宅街で物件を探すのが良いだろう。電車好きの子どもには、下御隠殿橋からたくさんの電車が見られる「トレインミュージアム」も人気だ。

三河島駅

昔ながらの下町で、落ち着いた雰囲気が特徴。都心へのアクセスが良いにもかかわらず、家賃相場が比較的安く抑えられるのが魅力だ。駅周辺には保育園や学校、公園が点在しており、子育て支援施設も充実している。治安も良好で、地域コミュニティの連携も強いため、安心して暮らすことができる。しかし、夜間は人通りが少なくなる場所もあるため、注意が必要だ。

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