銀座では駐車するより空走させた方が安いのか? – 将来の自動運転車

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自動運転車が普及すれば、「わざわざ高い駐車場に停めずに、ずっと走らせておいた方が安いのではないか?」という発想は当然出てくる。実際、場所によってはその通りだ。たとえば銀座のような超高額エリアでは、特にガソリン車やEVの種類によっては空走の方が圧倒的に安い可能性がある。

銀座の駐車料金は異常に高い

銀座周辺の主要駐車場では、1時間あたり1,000~1,600円、3時間で3,000~5,000円が相場だ。最大料金のない駐車場も多く、買い物や食事をしている間に数千円が簡単に消える。

Lexus LS 460の場合、空走の方が安い

Lexus LS 460は高級ガソリン車であり、市街地での実燃費は5〜6km/L程度。これをもとに3時間で30km走行させた場合の燃料費は以下の通り。

  • 必要ガソリン:約6L
  • 単価(ハイオク):180円/L
  • 合計:約1,080円

銀座の駐車料金が3,000円を超えることを考えると、単純な金額だけで見れば空走させた方が明らかに安上がりだ。

ただし、空走には大きな落とし穴がある

いくら燃料代が安くても、以下のような問題がある。

  • タイヤ・ブレーキ・エンジンなどの摩耗が激しい
  • 排ガスと騒音により周囲の迷惑になる
  • 歩行者の多いエリアで自動走行を続ければ、事故のリスクも跳ね上がる
  • 行政が空走を取り締まる可能性もある(実際、米国では規制が検討されている)

空走が社会問題化すれば、近い将来、都市部では「無目的走行の禁止」などが導入されるだろう。

EVならさらに空走コストは下がる

EV(たとえばテスラ・モデル3)の場合、電費は約6km/kWh、銀座を3時間低速で30km走っても消費電力は5kWh程度。電気料金を1kWhあたり35円とすると、たったの175円にしかならない。ガソリン車よりさらに安い。

ただしEVといえども、交通の妨げになる無意味な走行はやはり問題視される。

現実的な解決策は「遠隔退避&呼び戻し」

最も現実的かつ倫理的な方法は、「人通りの少ない場所や郊外に車を一時的に移動させ、必要なときに呼び戻す」方式だ。駐車場が安く、空いている地域へ自動で退避させることで、コストと社会的負荷の両方を抑えることができる。

結論

銀座のようなエリアでは、駐車料金が高すぎるため、一部の車種では空走させた方が安い。しかし、安いからといって空走を多用すれば、社会的な問題に発展し、規制が強化されるのは時間の問題だ。将来的には、車が自動で「安価かつ安全な場所」に退避し、必要に応じて呼び戻される仕組みが主流になるだろう。

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