警視庁警察官給料【東京都・地方公務員】のリアル(2025年)

お金・札束・紙幣 給料

警視庁警察官の生涯年収はどれくらい?学歴と出世で大きく変わるリアルなキャリアパス

現実の警察官の生涯年収と階級のリアルを深掘りする。

警察官の階級一覧と人数の割合

警察官の階級は、日本の警察組織における序列を示す。その構成はピラミッド型であり、上位の階級になるほど人数は少なくなる。

階級名人数割合(推定)補足
警視総監0.0000X%(1人)警察庁長官に次ぐ、実質的な警察官のトップ。警視庁の長。
警視監0.0X%未満警察庁次長、管区警察局長、大規模な警察本部の本部長など。国家公務員組(キャリア組)の最上位、またはノンキャリア組の最高到達点。
警視長0.X%未満警察本部の部長、大規模な警察署の署長など。キャリア組が就任することが多い。
警視正1%未満警察本部の課長、中規模な警察署の署長など。ノンキャリア組でここまで到達するのはごく一部。
警視3%程度警察署の署長、副署長、課長。警察本部の課長補佐など。ノンキャリア組の多くが目指す到達点の一つ。
警部6%程度警察署の課長、係長、交番の所長。ノンキャリア組でここからが「幹部」としてのスタート。昇任は非常に難しい。
警部補28%程度警察署の係長、交番の主任。現場のリーダー的存在。ノンキャリア組の多くが定年までに到達する。
巡査部長30%程度現場の班長、交番の副主任。最初の昇任階級。多くの警察官が経験する。
巡査長10%程度正式な階級ではないが、功労のある巡査に与えられる呼称。給与面で優遇。
巡査20%程度警察官のスタート地点。警察学校卒業後、現場に配属される。

(※人数の割合は、警察庁の公開資料や各種報道、推定に基づくもので、厳密な統計とは異なる場合がある。)

このピラミッド構造からもわかるように、警察組織では上位に行けば行くほど、その数は大幅に減少する。これは、出世競争の厳しさを物語っている。

警視庁警察官の生涯年収シミュレーション

ここからは、警視庁警察官の具体的な年収推移を3つの異なるキャリアパスで見ていく。それぞれの年収は、基本給、地域手当(警視庁は20%加算)、ボーナス(年間約4.5ヶ月分)を基にした目安であり、残業手当や家族手当などは含んでいない。定年は60歳とする。

1. 高卒平凡さん(巡査部長で定年)

高卒で採用され、比較的順調に巡査部長にはなるが、それ以上の昇任は難しい場合のモデル。多くの高卒警察官がこのキャリアパスに近いと言われている。

年齢階級の目安年収目安備考
18-19歳巡査 (警察学校)約290万円警察学校期間も給与が支給される
20-24歳巡査約380万~430万円現場配属、経験を積む
25-29歳巡査部長約450万~500万円最初の昇任試験(巡査部長)に合格
30-34歳巡査部長約520万~570万円現場の主任として活躍
35-39歳巡査部長約580万~630万円ベテラン巡査部長、後輩指導など
40-44歳巡査部長約640万~680万円管理職的な役割も増える
45-49歳巡査部長約690万~720万円経験豊富なベテラン
50-54歳巡査部長約730万~760万円定年が近づき、給与もピークに
55-59歳巡査部長約770万~800万円最後の数年
60歳巡査部長 (定年退職)約800万円定年退職。退職金は別途支給される
生涯年収(約18歳~60歳)約3億~3億2000万円(退職金含まず)

2. 大卒平凡さん(警部補で定年)

大卒で採用され、比較的順調に警部補までは昇任するが、警部の壁は越えられない場合のモデル。大卒ノンキャリアの警察官の中では、このキャリアパスが最も多いと考えられる。

年齢階級の目安年収目安備考
22-23歳巡査 (警察学校)約350万円大卒初任給からスタート
24-26歳巡査部長約450万~500万円採用後2年で巡査部長試験に合格、昇任
27-29歳警部補約550万~600万円警部補試験に合格、昇任
30-34歳警部補約620万~680万円係長クラスとして活躍
35-39歳警部補約700万~750万円中堅幹部として責任ある立場に
40-44歳警部補約770万~820万円ベテラン警部補
45-49歳警部補約830万~870万円給与も安定し高水準に
50-54歳警部補約880万~920万円定年が近づき、給与もピークに
55-59歳警部補約930万~970万円最後の数年
60歳警部補 (定年退職)約970万円定年退職。退職金は別途支給される
生涯年収(約22歳~60歳)約3億5000万~3億8000万円(退職金含まず)

3. 大卒出世さん(警視~警視正で定年)

大卒で採用され、昇任試験を順調に突破し、幹部クラスにまで上り詰める場合のモデル。ノンキャリア組の中では非常に優秀な部類に入り、ごく一部の警察官のみが辿れるキャリアパスだ。

年齢階級の目安年収目安備考
22-23歳巡査 (警察学校)約350万円大卒初任給からスタート
24-25歳巡査部長約450万~500万円採用後2年で巡査部長試験に合格、昇任
26-29歳警部補約580万~650万円警部補試験に早期合格、昇任
30-34歳警部約700万~800万円警部試験に合格。署の課長補佐クラス
35-39歳警部約850万~950万円署の課長クラス
40-44歳警視約980万~1050万円警視試験に合格。署の副署長や本部の課長クラス。年収1000万円超え
45-49歳警視約1050万~1150万円署長や大規模署の副署長も
50-54歳警視正約1150万~1250万円警視正に昇任。大規模署の署長や本部の部長クラス
55-59歳警視正~警視長約1250万~1350万円警視長まで昇任する可能性も。警察本部の本部長クラスも視野に
60歳警視正~警視長 (定年退職)約1350万円定年退職。退職金は別途支給される
生涯年収(約22歳~60歳)約4億5000万~5億円(退職金含まず)

国家公務員「キャリア組」警察官:スーパー出世さん

日本の警察組織には、一般的な都道府県警採用の警察官(ノンキャリア)とは一線を画す、国家公務員総合職試験を突破して警察庁に入庁する「キャリア組」が存在する。彼らは採用の時点から将来の幹部候補として位置づけられ、圧倒的なスピードで昇任していく。まさに「スーパー出世さん」と呼ぶにふさわしい彼らの生涯を追ってみる。

「キャリア組」の昇任スピードは別格

キャリア組は、ノンキャリア組とは異なる特別な昇任ルートを辿る。採用数自体が非常に少なく、全員が将来的に警察組織の中枢を担うことを期待されている。彼らの階級と昇任速度は以下の通りだ。

  • 入庁時: 警部補
  • 数年後(20代後半~30代前半): 警部
  • さらに数年後(30代前半~後半): 警視
  • 40代前半: 警視正
  • 40代後半~50代前半: 警視長
  • 50代半ば: 警視監(この段階で全国に数人しかいない最高幹部クラス)
  • 最終的に: 警視総監(警視庁トップ)や、警察庁長官(全国の警察のトップ)の座に就く者もいる。

この昇任スピードは、ノンキャリアが数十年かけてやっと到達するかどうかの階級に、キャリア組はわずか数年で到達してしまうことを意味する。

国家公務員「キャリア組」警察官の生涯年収シミュレーション

キャリア組の年収は、その圧倒的な昇任スピードに伴い、ノンキャリアとは比較にならないほど高額になる。特に警視監以上の階級になると、給与体系も一般の公務員とは異なる特別なものとなる。ここでは、60歳を定年としてシミュレーションを行う。

年齢階級の目安年収目安備考
22-24歳警部補約400万~550万円大卒で警察庁入庁。入庁時から警部補の階級。本省勤務や地方への出向を経験。
25-29歳警部約600万~800万円早期に警部に昇任。警察署の課長や警察庁係長クラス。
30-34歳警視約850万~1000万円警視に昇任。警察署の副署長や本部の課長補佐クラス。この年代で年収1000万円に到達する可能性が高い。
35-39歳警視約1050万~1200万円警察署長、警察庁の課長クラス。
40-44歳警視正約1200万~1400万円警視正に昇任。大規模警察署の署長や、警察庁の室長・審議官クラス。
45-49歳警視長約1400万~1600万円警視長に昇任。都道府県警察本部の部長、警察庁の局長クラス。
50-54歳警視監約1600万~1800万円警視監に昇任。管区警察局長、大規模都道府県警察本部長クラス。最高幹部の一員。
55-59歳警視監~警視総監/警察庁長官約1800万~2000万円以上警視総監(警視庁トップ)や、警察庁長官(警察組織のトップ)に就任する可能性も。給与は個別規定によるため推定の幅が大きい。
60歳警視監~警察庁長官 (定年退職)約2000万円以上退職金は数千万円単位。
生涯年収(約22歳~60歳)約6億~8億円以上(退職金含まず)

警察官のキャリアは「自分次第」

これらのシミュレーションが示すように、警視庁警察官の生涯年収は、学歴はもちろん、本人の努力や昇任試験の成果によって大きく変動する。特に、警部以上の幹部クラスに昇任できるかどうかで、生涯年収には数億円単位の差が生まれる。

タイトルとURLをコピーしました