都市部の気温上昇(118年で2.6度)は都市化の影響が大きい
東京から距離の近い3か所の気温上昇を調査した結果、東京都心部の気温が、勝浦、八丈島の気温上昇を大幅に上回る状況になっていることが判明した。
1906年(2024年の118年前)と2024年の8月の平均気温を比較した結果、「各地の118年あたりの気温の上昇は、東京が2.6度、勝浦が1.0度、勝浦が0.7度」であった。
気象庁の情報によれば、「100年あたりの気温上昇は、世界では0.75℃、北半球では0.8℃、日本では1.35℃の割合」となる。
東京の気温上昇が、世界、日本全体の平均上昇を超えるのは、都市化などが原因とされている。
- 都市化:建物や道路の増加により、自然地表が減少し、熱が蓄積されやすくなる。
- 人工排熱:交通、工場、エアコンなどからの排熱が都市部の気温を上昇させる。
- 高層建築物:高層ビルが風の流れを遮り、熱がこもりやすくなる。
- 緑地の減少:公園や緑地の減少により、冷却効果が低下する。
- アスファルトとコンクリート:これらの素材が熱を吸収し、放出することで気温が上昇する。
– | 1906年(118年前) | 2024年 | 上昇気温(度) |
東京 | 25.5 | 28.1 | 2.6 |
勝浦 | 25.0 | 26.0 | 1.0 |
八丈島 | 26.1 | 26.8 | 0.7 |
気象庁:東京の平均気温
気象庁:勝浦(千葉県)の平均気温
気象庁:八丈島の平均気温
100年あたりの気温上昇・世界では0.75℃
気象庁の情報によれば、「100年あたりの気温上昇は、世界では0.75℃、北半球では0.8℃、日本では1.35℃の割合」となる。
地域 | 100年あたりの上昇(度) |
世界 | 0.75 |
北半球 | 0.8 |
南半球 | 0.69 |
日本 | 1.35 |
世界の平均気温が上昇した原因は何か
過去100年で世界の平均気温が約0.75度上昇した原因の一つは、人間活動による温室効果ガスの排出とされている。具体的には、以下の要因が挙げられる。
- 化石燃料の燃焼:石炭、石油、天然ガスの燃焼により、二酸化炭素(CO2)が大量に排出される。これは温室効果ガスの中で最も影響が大きく、気温上昇の主要な原因である。
- 森林伐採:森林はCO2を吸収する役割を果たしますが、伐採によりその能力が減少し、大気中のCO2濃度が増加する。
- 農業と畜産業:これらの活動からはメタン(CH4)や亜酸化窒素(N2O)などの温室効果ガスが排出される。特にメタンは(CO2)に比べて約25倍から28倍の温室効果を持っているとされる。
- 工業活動:工場や製造業からの排出ガスも温室効果ガスの一因となる。
- 太陽活動の変動:太陽の活動には周期的な変動があり、これが地球の気温に影響を与えることがある。ただし、近年の気温上昇に対する影響は限定的とされている。
- 火山活動:大規模な火山噴火は一時的に大量の火山灰や硫酸エアロゾルを大気中に放出し、これが太陽光を反射して地球を冷やす効果がある。しかし、長期的な気温上昇にはあまり寄与していない。
- 自然の気候変動:エルニーニョやラニーニャなどの自然現象も短期的に気温に影響を与えるが、これらは周期的なものであり、長期的なトレンドには直接関与していないとされている。
これらの要因が複合的に作用し、地球の気温を上昇させている。
しかし、具体的にどの要因が何度上昇させたかを正確に分けるのは難しいとされている。
二酸化炭素排出の歴史
過去100年間の二酸化炭素(CO2)排出量の歴史は、産業革命以降の工業化と経済成長に大きく影響されている。
世界全体のCO₂排出量の推移
- 1940年代: 第二次世界大戦後、工業生産の増加に伴いCO2排出量が急増した。
- 1970年代: 石油危機が発生し、一時的に排出量の増加が鈍化したが、その後再び増加傾向にある。
- 1990年代以降: 経済のグローバル化と新興国の工業化により、排出量が急増した。特に中国とインドの経済成長が顕著である。
- 2020年代: 新型コロナウイルスの影響で一時的に排出量が減少したが、その後再び増加している。
主要国のCO₂排出量の推移
- 中国: 1990年代以降、急速な経済成長と工業化により、CO2排出量が400%以上増加した。現在では世界最大の排出国である。
- アメリカ: 20世紀後半から21世紀初頭にかけて、工業化と自動車の普及により排出量が増加したが、近年はエネルギー効率の改善や再生可能エネルギーの導入により減少傾向にある。
- インド: 経済成長と人口増加に伴い、CO2排出量が急増している。特に2000年代以降の増加が顕著である。
- 日本: 高度経済成長期(1950年代~1970年代)に排出量が急増したが、その後は省エネ技術の導入や環境政策の強化により、比較的安定している。
これらのデータは、各国の経済活動や政策の影響を反映している。今後の地球温暖化対策には、これらの排出量をいかに削減するかが重要な課題となる。
世界で利用されている発電源は
2023年時点で、世界で最も多く利用されている順に説明すると、1位 石炭(Coal)、2位 天然ガス(Gas)、3位 水力(Hydropower)、4位 原子力(Nuclear)、5位 風力(Wind)、6位 ソーラー(Solar)、7位 石油(Oil)、8位 バイオマス(Bioenergy)となっている。
世界で最もよく利用されている電源燃料である「石炭」を主な発電源として使用している国は多くあるが、以下の国々が石炭を大量に使用している。
- 中国: 世界最大の石炭消費国であり、発電の約61%を石炭に依存している。
- インド: 発電の約71%が石炭によるものである。
- アメリカ: 発電の約19%が石炭から供給されている。
- 日本: 発電の約29%が石炭に依存している。
- 南アフリカ: 発電の約86%が石炭によるものである。
石炭が豊富で安価なエネルギー源であるため、依存度が高くなっている。
ただ燃焼効率の良い順に並べると、天然ガス、石油、石炭の順になる。石炭は燃焼効率が悪いため、二酸化炭素排出量が多くなっており、石炭利用の抑制が今後重要になる。
- 天然ガス:
- 燃焼効率が最も高い。
- 1kgあたりの熱量は約54.5 MJ(メガジュール)。
- 石油:
- 燃焼効率は天然ガスに次いで高い。
- 1kgあたりの熱量は約42-44 MJ。
- 石炭:
- 燃焼効率は石油や天然ガスに比べて低い。
- 1kgあたりの熱量は約22-30 MJ。