2025/06/22 東京都議選・荒川区 – 圧勝の都民ファースト、揺るがぬ公明

荒川区 シンボルキャラクター「あら坊」「あらみぃ」 選挙

2025年6月に行われた東京都議会議員選挙の荒川区選挙区は、定数2に対し6人の候補者が立候補。激戦の中、都民ファーストの新人・斉藤和樹(42歳)が19,016票(得票率23.7%)を獲得しトップ当選を果たした。その強さは、荒川区に新たな政治の風を吹き込んだと言える。

一方、公明党現職の慶野信一(49歳)は16,398票(20.5%)を獲得し、盤石の支持で2位当選を確保。この二人が、荒川区の都議会議席を勝ち取った。

都民ファースト・斉藤和樹の圧倒的な勝利

斉藤和樹は保育所経営の現場で培った実践力を背景に、「子育て支援の充実」「教育環境の改善」「地域防災の強化」など、具体的かつ生活に根ざした政策を訴えた。特に若い子育て世代からの支持が厚く、荒川区の未来を見据えたビジョンを示したことで幅広い年代の共感を獲得した。都民ファーストの新たなリーダー候補として今後の活躍に期待がかかる。

公明党・慶野信一の揺るがぬ地盤

慶野信一は長年の実績に裏付けられた堅実な政策推進力で、地域の福祉や防災、子育て支援を重視。党都青年局長として若者の政治参加促進にも積極的に取り組んでいる。特に公明党の強固な支持基盤である地域の婦人会や福祉団体、創価学会員の組織票が厚く、安定した支持を背景に今回も再選を果たした。現場の声を都政に反映させる姿勢は幅広い層から評価されており、今後も地域と都政をつなぐ橋渡し役として期待されている。

自民党・町田高の惜敗と敗因分析

元区議会議長で50歳の町田高は、自民党推薦の新人として出馬。豊富な行政経験と世襲的背景を武器に挑んだが、16,266票(20.3%)で惜しくも落選となった。

わずか132票差という僅差の敗北は、自民党の地盤が揺らいでいる現状を示している。

2024年1月、都議会自民党の裏金事件に対し、かつよてより裏金事件を追及していた上脇博之 神戸学院大教授が20万円を超えるパーティー券の支払いがあった人物の氏名などを政治資金収支報告書に記載していないとして、都議会自民党の代表者らを政治資金規正法における不記載の疑いで告発した。2019年と2022年で、ノルマを超えた分のパーティー券収入を収支報告書に記載していなかったのは現職、元職、元候補者ら26人に上ったのである。報告書に記載されていなかった総額は、2873万円。このうち現職は16人で、所属議員30人のうち半数以上を占めており、自民党離れを招いた。

2025年3月には、石破総理が、昨年、衆院選で初当選した自民党議員に対して、10万円相当の商品券を配布していた。ケチで有名な石破さんが、私費でそんなことをしないという意見が多数あり、領収書不要、用途自由、支出先未公開である内閣官房報償費(機密費)が充てられたのではないかという疑惑がある。2024年10月から2025年3月末までの半年間で、6億2940万円支出したことが情報公開で判明している。

こうした不祥事が、荒川区有権者の自民党支持を揺るがし、町田高氏の支持拡大を妨げたと考えられる。連続落選の区長選からの再挑戦だったが、有権者は「政治の信頼性」や「クリーンさ」を強く意識し、世襲のブランドだけでは勝ちきれなかった。

そのほかの候補者の状況

  • 小林大志(38歳・共産党・新人・社会福祉士):10,825票(13.5%)
  • 南貴大(37歳・再生・新人・物流会社社員):8,994票(11.2%)
  • 山川裕菜(41歳・無所属・新人・司法書士):8,578票(10.7%)

これらの候補者は健闘したものの、及ばず落選となった。

2025年荒川区都議選のポイント

  • 都民ファーストの新人が有権者の支持を集め、地盤拡大に成功。
  • 公明党は組織力と地元密着型政策で安定の支持を確保。
  • 自民党は世襲候補の町田高が惜敗。従来の支持基盤の弱体化が示唆された。
  • 有権者は新鮮な政策と実績、そして政治の透明性・信頼性を強く求めている。

候補者一覧(得票数順)

氏名年齢党派新旧代表的肩書得票数 (得票率)当落
斉藤 和樹42都ファ保育所経営19,016 (23.7%)当選
慶野 信一49公明党都青年局長16,398 (20.5%)当選
町田 高50自民(元)区会議長16,266 (20.3%)落選
小林 大志38共産社会福祉士10,825 (13.5%)落選
南 貴大37再生物流会社社員8,994 (11.2%)落選
山川 裕菜41無所属司法書士8,578 (10.7%)落選
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