教員という職業は、安定しているが給与は実際どうか?
今回は、東京都の小学校教員が定年まで働いた場合の「一生の年収」を、昇進の少ない“平凡さん”と、順調に出世する“出世さん”の2パターンで試算してみた。
前提条件
- 勤務地:東京都(23区内)
- 採用:22歳で新卒採用
- 定年:60歳
- 年金や退職金は除外
- 残業代はほぼつかない(教職調整額4%で固定)
- モデルは「東京都人事委員会」の給料表+公表資料ベース
- ボーナス:年間4.5ヶ月分(平均)
1. 平凡さんパターン(主任教諭止まり)
- 採用:22歳(初任者)
- 昇給:通常ペース
- 昇進:主任教諭でストップ
- 管理職手当なし
年齢 | 役職 | 想定年収(万円) |
---|---|---|
22〜25 | 教諭(初任〜) | 約400〜460 |
26〜35 | 教諭 | 約460〜600 |
36〜45 | 主任教諭 | 約600〜680 |
46〜55 | 主任教諭 | 約680〜720 |
56〜60 | 主任教諭 | 約720〜800 |
平均年収:約620万円
勤続39年分の合計:約 2億4,000万円
2. 出世さんパターン(校長まで昇進)
- 採用:22歳(初任者)
- 35歳:主任教諭に昇進
- 45歳:副校長に昇進
- 55歳:校長に昇進
- 管理職手当あり
年齢 | 役職 | 想定年収(万円) |
---|---|---|
22〜25 | 教諭(初任〜) | 約400〜460 |
26〜34 | 教諭 | 約460〜580 |
35〜44 | 主任教諭 | 約600〜680 |
45〜54 | 副校長 | 約800〜880 |
55〜60 | 校長 | 約900〜1100 |
平均年収:約720万円
勤続39年分の合計:約 2億8,000万円
退職金はどれくらいか?
東京都の教員の退職金(60歳定年時)は以下の通り。
- 平凡さん(主任教諭)…約 2,000万円
- 出世さん(校長)……約 2,500万円
退職金を含めると、生涯収入は以下のようになる。
- 平凡さん:2億6,000万円
- 出世さん:3億500万円
民間と比較してどうか?
民間のサラリーマン(大企業を除く)の生涯年収は、約2億円前後が平均とされる。つまり東京都の小学校教員は、平凡な出世でも平均をやや上回る。さらに出世すれば、3億円超えも可能だ。
結論
東京都の小学校教員は「低賃金」と思われがちだが、実際には十分な生涯年収が見込める。民間のような成果主義は弱い一方で、昇進すれば手当がしっかりつく。また、倒産の心配がないという意味でも、安定した公務員職の中では「比較的報われる部類」に入る。