日本共産党は「政権監視勢力」として評価すべきか?

共産主義・社会主義 政治

政権監視能力

日本共産党と聞くと、「社会主義国家を目指す政党」というイメージを持つ人は多い。しかし現代の日本において、本当に彼らが掲げる社会像が適切なのかといえば、答えは「否」だろう。
ただし、「だから日本共産党は無価値だ」と切り捨てるのは早計である。政党としての本質的な役割と目指すべき社会像は分けて評価するべきだと考えることもできるだろう。

共産党の目指す社会像は時代遅れ

日本共産党は今でも以下のような政策理念を維持している。

  • 土地・企業の国有化
  • 資本主義の廃止と社会主義国家樹立
  • 「社会主義・共産主義こそ最終目標」とする綱領

だが世界中の社会主義国家が独裁・特権階級の発生・経済停滞・人権侵害へと転落してきた歴史は事実だ。実際、社会主義そのものが構造的に「国家による富の管理=腐敗と特権階級の発生」を避けられない制度である以上、日本共産党が掲げる国家像は現実的ではない。

しかし「政権監視能力」は評価できる

他方で、日本共産党は以下のような役割においては、評価できる。

  • 政権与党(自民党)の不正追及
  • 大企業の不祥事・談合などへの批判
  • 「しんぶん赤旗」を通じた調査報道

実際、「裏金問題」や「官僚癒着」「談合」に対しては、大手メディアが忖度しがちな中、共産党は独自の情報網で不正を暴いている。
広告収入に依存していない赤旗新聞は、大企業スポンサーに遠慮する必要がないため、与党や資本側に対する厳しいチェック機能を持ち得るのだ。

「反体制の監視勢力」としての価値

日本共産党は、

  • 政権担当能力はない
  • 目指す社会像は誤っている

だが、

  • 与党監視機能
  • 大企業監視機能

という2つの役割だけを考えれば、日本社会にとって一定の存在価値はあると言える。

共産党が政権を取ることは非現実的だが、だからこそ「反対勢力」として国会に存在させ、権力・資本の監視役として活用する考え方は十分合理的だ。

日本共産党の評価はこう整理できる

観点評価
政策・国家像時代遅れ・現実離れ
与党・大企業監視明確な強み、一定の価値あり

政党を「完全否定」か「全面支持」かで判断するのではなく、「どの機能を評価し、どの部分を信用しないか」を明確にして付き合うべきだろう。
政権は任せられないが、監視勢力としてなら活用できる
これが、現代日本における日本共産党との適切な距離感ではないだろうか。

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