日本共産党支持者の心理と党の目指す社会主義革命

共産主義・社会主義 政治

日本共産党支持者は「本気の社会主義支持者」ではない

現在の日本共産党支持層の多くは、「社会主義国家を作りたい」から支持しているわけではないと考えられている。

支持理由実態
自民党に対する反発大多数
大企業への反感・不信比較的多い
「庶民の味方」イメージ多い
社会主義国家を目指したい少数
党の綱領を意識せず支持特に若年層に多い

共産党は「反自民」や「野党としての存在感」に期待されている政党であり、支持者の多くは社会主義イデオロギー自体に無関心な層で構成されている。
このため、「社会主義政党を支持しているのに、社会主義国家樹立を望んでいるわけではない」という矛盾が生まれている。

日本共産党が目指す社会主義は以下だと考えられる。

  • 重要産業・金融機関の国有化
  • 生産手段の社会的所有
  • 医療・教育の完全無償化
  • 民間市場と国家計画の併存
  • 平和的手段による革命

日本共産党綱領
(略)
党は、この状況を打破して、まず平和で民主的な日本をつくりあげる民主主義革命を実現することを当面の任務とし、ついで社会主義革命に進むという方針のもとに活動した。
(略)
社会主義的変革の中心は、主要な生産手段の所有・管理・運営を社会の手に移す生産手段の社会化である。社会化の対象となるのは生産手段だけで、生活手段については、この社会の発展のあらゆる段階を通じて、私有財産が保障される。
(略)
発達した資本主義国での社会変革は、社会主義・共産主義への大道である。日本共産党が果たすべき役割は、世界的にもきわめて大きい。

https://www.jcp.or.jp/activity/kouryo/

理念は「美しい」と信じる人が多い

共産党や社会主義を支持する人々の主張は以下のように整理できる。

  • 理念と現実は別
     「平等」「格差是正」「労働者の解放」という理想は正しいと信じる。
     過去の失敗は指導者の堕落によるものと解釈。
  • 資本主義への不満
     現実の格差・貧困・ブラック労働に反発し、理想的平等社会を求めている。
  • 歴史教育・情報不足
     過去の社会主義国家での粛清・飢餓・独裁の実態を知らないか、軽視している。
  • 社会主義の再定義
     「税で福祉を充実させることが社会主義」だと誤解している層も多い。

「社会主義国家」の本質的欠陥

それでも社会主義国家が成立しない理由は単純である。
社会主義国家は必然的に官僚特権と腐敗を生むからである。

特徴問題点
土地・企業の国有化混乱と暴力革命
配分権限を国家が独占官僚特権階級の固定化
平等のはずが国家管理下で新たな格差発生幹部層の腐敗・優遇

国家による資源配分は、必ず腐敗・不公平の温床になる。
これは歴史上すべての社会主義国家で証明されている。

社会主義と社会民主主義との違い

社会民主主義は、「資本主義の枠内で福祉を重視する」制度であり、極端な財産移転はともなわない。
そのため安定した制度改革が可能である。欧州では、社会民主主義国家が多い。

制度特徴問題点
社会主義国有化・私有財産否定革命・官僚支配・腐敗
社会民主主義資本主義内で福祉充実極端な制度変革を伴わない

共産党の主張する法人税引き上げは日本を豊かにするのか

  • 日本共産党は、中小企業を除き、法人税率を安倍政権以前の28%程度に戻すことを求めている。
  • 内部留保への時限課税で10兆円規模の財源を確保しようという提案も行っている。

トヨタなどの大企業は内部留保を増やしているのに法人税をほとんど払っていないと批判しているが、事実は以下のとおりである。

共産党の主張実態
トヨタは税金をほぼ払っていない払っている。数千億円規模。合法的に控除適用した年度があるだけ
内部留保をため込んでいる設備・研究開発等の投資資金。現金ではない
大企業優遇で税制が歪んでいる研究開発減税など政策的控除は存在。完全優遇ではない

1. 日本の法人税は本当に安いのか?

結論から言えば、日本の法人税は決して安くない
主要国と比較すると、日本は「中程度〜やや高い」水準にある。
日本は「法人税単体」では23.2%(中小は15%)で地方税含む「法人実効税率」で29〜30%となる。

国・地域法人実効税率(概算)
日本約29〜30%
アメリカ約25%
イギリス約25%
フランス約25%
ドイツ約29〜30%
シンガポール約17%
香港約16.5%
アイルランド約12.5%
  • 日本はアメリカやドイツとほぼ同水準。
  • シンガポールや香港といった低税率国よりは高い。

つまり、「法人税が安すぎるから増税すべき」という共産党の主張は事実と異なる

2. 法人税を引き上げたら企業は逃げる

現代はグローバル資本主義社会である。
資本・企業・技術は国境を越えて移動できる。
そのため法人税を重くすれば、企業は以下の方法で課税回避を行う。

  • 本社機能を海外移転
  • 生産拠点を海外移転
  • 利益を海外子会社に移転
  • 配当・研究開発投資を海外優先に

実際に日本国内でも、大企業は海外移転や海外生産シフトを加速させている。
法人税の引き上げは、日本国内の投資・雇用を奪う「亡国の政策」に直結する。

3. 共産党の主張通りにすれば皆が幸せになるのか?

結論は明確だ。
共産党の言うとおりにすれば、日本経済は衰退し、国民全体が不幸になる

項目共産党の主張現実
法人税引き上げ賛成海外逃避で逆効果
法人税水準低いと主張国際的に中程度
大企業規制賛成投資撤退リスク
幸せになれるか?なれる実際は経済悪化

共産党は「福祉充実のため法人課税を強化すれば良い」と主張するが、これはグローバル経済を理解していない政策である。

4. 本当に豊かになる方法は何か?

経済成長と国民福祉の両立には、

  • 企業の利益を最大化する
  • 得られた富を社会保険制度などで公平に再分配する

という現実的な方法しかない。

企業を縛り、税を強化するだけでは、企業も富も海外へ逃げてしまう。
共産党の経済政策は、日本経済全体の崩壊を招くリスクが高い。

5. 結論

日本共産党の「大企業から税を取ればみんなが幸せになれる」という主張は幻想である。
資本は逃げる。雇用は減る。国全体が沈む。

共産党の政策は反グローバル、反経済成長の発想であり、採用すれば国家衰退となる。
企業活動を支えつつ再分配制度で格差を是正するのが経済政策の王道である。

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