東京都市長会の政策提言が有料化のきっかけ
2001年(平成13年)10月に東京都市長会が以下の政策提言をまとめた。
東京都市長会は、東京多摩地域26市の市長が任意に組織する団体になる。
東京都市長会 政策提言:(平成13年10月)多摩地域におけるごみゼロ社会をめざして(家庭ごみの有料化について)
https://www.tokyo-mayors.jp/0000000098.html
課題
- 多摩地域の人口が増加しているため、ごみ量が減らない
平成元年 → 平成12年
人口 :353.6万人 → 379.7万人
ごみ量:133.3万トン → 134.0万トン - ごみ処理費用が全国平均より高い
平成8年 → 平成10年
多摩:32,300円 → 20,400円
全国:18,200円 → 17,800円
※平成8年は建設・改良費が急増していたため、全国平均と比べて極端に高くなっている。 - 新しい処分場が設置困難
結論
2003年度(平成 15 年度)までに、多摩全市で家庭ごみの有料化を実施する。
【理由】
・ ごみ減量・リサイクルの促進に効果があった。
<すでに実施済みの青梅市・日野市・清瀬市の例>
可燃ごみで、最大約30~40%の減量
不燃ごみで、最大約50~60%の減量
・ 市民負担の公平性の確保、焼却量・最終処分量の削減、処理費用の削減、財源確保などにも効果。
・ 全国でも、家庭ごみの有料化が進んでいる。
◆ごみ回収が無料の東京23区でもごみ減量は進んでいる(2000年対2022年比で48%の減少)ため、有料化したことだけでごみ減少している訳ではない。
多摩地域の家庭ごみ有料化状況
ごみ袋の料金の一例。
自治体名 | 価格(円/枚) | 袋サイズ(L) |
八王子市 | 75 | 40 |
武蔵野市 | 80 | 40 |
三鷹市 | 75 | 40 |
町田市 | 64 | 40 |
府中市 | 80 | 40 |
東京23区(特別区)の料金
無料。
ただし、1回に最大で2、3袋程度。
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東京23区の家庭ごみ有料化検討(2024/09)
最終処分場あと50年で満杯か…東京23区と都が「家庭ゴミ有料化」検討 既に実施の立川市は可燃ゴミ排出量が前年度比17.5%減
2024/09/16に上記ニュースが流れた。このニュースについて考察する。
有料化すると継続的にゴミ減少となるか
多摩地域と都区部の1日の一人当たりのごみ排出量(g)を以下に示す。
過去の統計より、有料化の多摩地域より無料の都区部のごみ減少率の方が優れている。
都区部の方が多摩地域より排出量が多い理由は、都区部(特に千代田区)の場合、昼間人口が多く、夜間人口(実際の居住人口)が少ないために、一人当たりで計算すると多くなる。
地域 | 2000年 (平成12年) | 2014年 (平成26年) | 2022年 (令和4年) | 2022年との比較 |
多摩地域 (有料地域含む) | 926 | 777 | 702 | 2000年比:76%(24%減少) 2014年比:90%(10%減少) |
都区部 (無料地域のみ) | 1671 | 1001 | 875 | 2000年比:52%(48%減少) 2014年比:87%(13%減少) |
無料回収の杉並区が1日あたりの一人の排出量が451gである。杉並区: ごみ収集量・資源回収量
有料回収の武蔵野市の家庭系ごみは582gであり杉並区より多い。武蔵野市のごみ量
有料化する場合、有料化直後は、ごみ排出量の減少が見込めるが、年数が経過すると、無料化の地域とほぼ差が無くなっていることがある。
また、有料化すれば、ごみ減少するというのは早計であり、地域ごとのリサイクルの取り組みによっても、排出量は大きく変わる。
不法投棄の増加懸念
来日したばかり外国人によるごみマナーが悪い地域がある。「外国人居住者のごみ」収集体験で垣間見た問題
2024/08/01時点の外国人率は東京23区が6.0%、東京市部が2.6%、東京郡部が2.4%、東京島部が1.5%である。
東京23区の外国人率は、市部や群部と比べて極めて高く、外国人率の多い地域で不法投棄が増えることが予想され、ごみ回収されない場合、地域の急速な環境悪化につながる恐れがある。
特に外国人率の高い、新宿区(13.2%)、豊島区(12.0%)、荒川区(10.2%)、台東区(9.2%)、北区(8.3%)の環境悪化が懸念される。
資源回収されたプラスチックはすべてリサイクルされているのか
資源回収されたプラスチックがすべてリサイクルされているわけではない。日本では、プラスチックのリサイクル率は約24%であり、多くのプラスチックがサーマルリサイクル(焼却してエネルギーを回収する方法)に回されているのが現状である。
一見、有料化した場合、ごみ量が減っているように見えるが、資源回収されたプラスチック量も含めれば、微量の減少である。
燃えるごみは焼却することによりどの程度減るか
燃えるごみは、焼却することにより容積が30分の一程度にまで減少する。
焼却灰の最終処分量を減らし、資源の有効活用が図ることが重要である。
東京都の焼却灰リサイクル
- 溶融処理:焼却灰を高温で溶かし、スラグ(固化物)として再利用。スラグは路盤材やコンクリート用骨材として利用される。
- セメント原料:焼却灰をセメントの原料として利用。
- 有価金属の回収:焼却灰に含まれる金や銀などの有価金属を回収し、再資源化。
燃えないゴミだけの有料化は検討できるのか
燃えるごみは、燃やすことにより、大幅に容積減少することができる。
容積減少することの難しい、燃えないゴミだけ有料することも考えられるのではないか。
粗大ごみ(30cmを超える大型のごみ)は、すでに東京23区でも有料化されている。
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