渋沢栄一家墓所(台東区史跡・谷中霊園)

渋沢栄一家墓所(台東区史跡) 観光

渋沢栄一家墓所の場所

渋沢栄一家墓所は、東京都台東区谷中七丁目にある谷中霊園(乙11号1側1番1)に位置する。この墓所には、渋沢栄一とその家族が眠っている。渋沢栄一は昭和6年(1931年)に91歳で亡くなり、埋葬された。墓碑には「青淵澁澤榮一墓」と刻まれており、雅号である「青淵」(せいえん)が使用されている。
墓所はJR日暮里駅南口から徒歩8分(600m)、JR鶯谷駅北口からは徒歩10分(650m)の距離にある。

https://www.tokyo-park.or.jp/reien/park/pdf/yanaka_map.pdf
渋沢栄一家墓所(台東区史跡)
2022年1月にベンチのある広場に整備された。
青淵澁澤榮一墓
青淵澁澤榮一墓
渋沢栄一家墓所(台東区史跡)
谷中霊園中央東広場案内図
タブノキ
谷中霊園中央東広場案内図
谷中霊園中央東広場案内図

徳川慶喜と渋沢栄一の関係について

徳川慶喜の墓所は、谷中霊園内の寛永寺墓地にあり、渋沢栄一の墓所から徒歩約3分(徒歩約200m, 直線距離約140m)の距離に位置している。この近さは、渋沢栄一が徳川慶喜を尊敬し、彼の名誉を守るために尽力したことを象徴している。

渋沢栄一と徳川慶喜の関係は、幕末から明治にかけての日本の歴史において重要なものである。
渋沢栄一は、埼玉県の豪農の家に生まれ、幼少期から漢籍や剣術を学んでいた。1861年、江戸に出て儒学者の門下生となり、北辰一刀流の道場にも入門した。この頃、一橋家家臣の平岡円四郎と知り合い、これが渋沢の人生を大きく変える出会いとなった。
1863年、渋沢は倒幕の計画を立てるが、未遂に終わり、京都に逃れる。ここで平岡円四郎の薦めにより、一橋慶喜(後の徳川慶喜)に仕えることとなった。この出会いが、渋沢の人生における重要な転機となった。
1866年、徳川慶喜が第15代征夷大将軍となり、渋沢は幕臣として仕える。翌年、渋沢はパリ万博に参加し、ヨーロッパ各国を訪問して最新の経済を学び、日本の近代化に必要な知識を身につけた。
明治維新後、渋沢は帰国し、静岡で謹慎していた徳川慶喜と再会する。慶喜は「これからはお前の道を行きなさい」と言い、渋沢はその後、実業家として多くの企業を設立し、日本の近代経済の基礎を築いた。
渋沢栄一にとって徳川慶喜は、尊敬すべき恩人であり、彼の指導と支援がなければ、渋沢の成功はなかったかもしれない。渋沢はその恩義に報いるため、徳川慶喜の伝記『徳川慶喜公伝』を編纂し、慶喜の名誉を回復するために尽力した。

渋沢栄一の功績

渋沢栄一(1840[天保11年]-1931[昭和6年])は「日本資本主義の父」と称される実業家であり、近代日本経済の基礎を築いた人物である。生涯に約500の企業の設立に関わり、第一国立銀行(現在の第一銀行)や東京証券取引所、日本郵船など、多くの重要な企業を創設した。

また、渋沢は教育や社会公共事業にも積極的に関与し、約600の教育機関や社会事業を支援した。例えば、日本女子大学校の設立や、東京養育院(現・東京都健康長寿医療センター)の運営に尽力した。さらに、彼は「道徳経済合一説」を提唱し、経済活動と道徳の両立を目指した。

渋沢栄一の功績は、単に企業の設立にとどまらず、社会全体の発展に寄与するものであった。彼の理念と行動は、現代の日本経済にも大きな影響を与え続けている。

設立に関与した企業の一例

企業名設立年渋沢栄一の関わり方
第一国立銀行
(現在:みずほ銀行)
1873設立を指導し、初代頭取に就任
日本鉄道
(現在:JR東日本)
1881設立に関与し、私鉄の基盤を築く
帝国ホテル1890設立に関与し、初代会長を務める
東京海上保険会社
(現在:東京海上日動)
1879創業時の株主、設立後は相談役に就任
田園都市株式会社
(現在:東急電鉄、東急不動産)
1918設立に関与し、宅地開発と鉄道事業を推進
東京瓦斯会社
(現在:東京ガス)
1885設立に関与し、ガス事業の基盤を築く
東京株式取引所
(現在:東京証券取引所)
1878設立を出願し、日本初の公的証券取引機関を設立
大阪紡績株式会社
(現在:東洋紡)
1882設立に関与し、紡績事業を推進
抄紙会社
(現在:王子製紙、日本製紙)
1873設立に関与し、製紙業の基盤を築く
共同運輸会社
(現在:日本郵船)
1882設立に関与し、海運業の基盤を築く

新紙幣(1万円札)への採用

https://www.npb.go.jp/ja/n_banknote/design10/
https://www.npb.go.jp/ja/n_banknote/design10/

新一万円札の発行日とその背景

2024年7月3日、日本銀行は新しい一万円札を発行した。この新札は、約20年ぶりの刷新であり、偽造防止技術の強化とユニバーサルデザインの向上を目的としている。

渋沢栄一の肖像

新しい一万円札の表面には、日本の近代経済の父と称される渋沢栄一の肖像が描かれている。

新一万円札の特徴

  • 裏面のデザイン: 東京駅丸の内駅舎が描かれている。2003年に国の重要文化財に指定されている。東京駅の丸の内駅舎は、1914年に辰野金吾の設計で竣工し、明治・大正期を代表する建築物の一つである。そのため、日本の歴史と伝統を象徴する建物として選ばれた。渋沢栄一は、日本煉瓦製造会社を設立し、その煉瓦が東京駅の建設に使用された。このため、渋沢栄一と東京駅の間には深い縁がある。
  • 偽造防止技術: 高精細すき入れや3Dホログラムなど、最新の技術が採用されている。特に3Dホログラムは、世界初の技術で、肖像が立体的に見えるようになっている。
  • ユニバーサルデザイン: 視覚障害者のための識別マークや、額面数字の大型化など、誰もが使いやすい工夫が施されている。

発行の目的

新しいお札の発行は、偽造防止対策の強化とユニバーサルデザインの向上を目的としている。これにより、より安全で使いやすいお札が提供される。

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